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酸性ストレートで痛んだ髪への原因と対処法を解説

このブログでは酸性ストレートで痛んだ髪への原因と対処法を解説します

酸性ストレートとは?

酸性ストレートとは普通のストレートパーマ、縮毛矯正と違い、薬剤の種類が通常アルカリで行うところを、酸性の薬剤で行う事で→ダメージを抑えられる、ダメージした髪に行えるなどといった目的で登場したメニューになります

酸性ストレートと縮毛矯正の違い

髪の癖を伸ばすという目的では同じなのですが、双方に薬剤の違う役割があります
まず、通常の縮毛矯正ですが、メリットは強い癖を伸ばす事ができます。そして、デメリットは薬剤のパワーが強いためダメージにつながる事です
酸性ストレートはメリットは強くダメージした髪にストレートが行えることです。デメリットは酸性ストレートを行った後の髪は硬くなり水を吸わなくなります
このあとに酸性ストレートをされるお客様の髪に何が起こっているか、書いてみましょう

酸性ストレートの失敗例

酸性ストレートは髪が痛めない、、といったイメージが強い酸性ストレートですが、写真のようにチリチリになったお客様もおられます。酸性ストレートは基本的に、ハイダメージ毛は対応できるストレートパーマということで注目を集めましたが、ハイダメージという髪の状態というのは髪内部の結合が皮一枚で繋がれたような瀕死の状態にあります。こちらを痛まないということで酸性ストレート剤をつけると最後の砦の皮一枚の結合を切ってしまいます。すなわち髪は切れてしまいます。酸性ストレートは髪の結合を繋げてくれるものでは無い事が分かります
しっかり結合を切ってしまうのです。アルカリでキューティクルを開いて作用するという通常のストレートパーマ特有のダメージパターンこそありませんが、髪の結合はしっかり失います。ダメージしませんということはあり得ません

酸性ストレートのメリット

アルカリを使用した施術(パーマ、ストレート、カラー)に対してダメージした髪に「かろうじて使用する事ができる」事がメリットと考えます。アルカリ膨潤がない為髪がパサついたりするデメリットがありません。ブリーチ毛などには最初の一回だけなら風合いは良くなるでしょう

酸性ストレートのデメリット

酸性ストレートは傷まないという神話を信じて乱発する美容師さんが多いです。それも、1人のお客様に何度も提案する人もいます。本当に傷まないのでしょうか?本当に「綺麗な健康な髪の定義」をよく知る美容師さんなのでしょうか?酸性ストレートを行うデメリットをいくつか書いてみます。

過収斂

傷んだ髪には内部構造がありません。そのような髪にトリートメントで髪の栄養を取り戻さずに酸性ストレートをいきなり行うと写真のようにジリジリになります。酸性のお薬によって髪が過剰に収斂(しゅうれんと言って髪が雑巾をしぼったように締めすぎることを言います)こうなると、何をしても元に戻りません。普通は。。。

高熱アイロンによる髪の大ヤケド

皆さまはストレートパーマや縮毛矯正が85℃〜150℃前後で充分癖が伸びることをご存知ないでしょうか?水分と油分のコントロールをしっかり行い、湿度を利用して上記の温度で癖が伸びる事と、髪のトリートメントを安定させる事が同時に行える事はご存知無いでしょうか?本当は技術もそこまで工夫できるのですが、一般的なストレートパーマや縮毛矯正、そして今回のテーマである酸性ストレートでは180℃以上のアイロン操作を行っている事がほとんどというか全てでは無いでしょうか?
髪の内部はきしめんのように平たく潰され、キューティクルに至ってはペタンコ状態、開くことも閉じることもできず、呼吸ができない状態です。トリートメントが効かない髪にもなるし、カラー剤も入りません。
それでも染まっているではないか?という方、色はすぐ落ちませんか?1週間ほどで。。。それは髪のキューティクルだけにカラー剤が反応しただけなのです。トリートメントも表面をコーティングしただけです。加えて酸性という特徴も合まってよりしっかり締まりペタンコになります
髪が水分を捨てたら、吸ったりできず、水の入れ替えができない為、髪内部の水分は酸化し腐って行きます。それがやがて、匂いの原因になり切れ毛の原因となります

薬剤の残留

酸性領域のお薬はかなり残留します。アルカリも残留しますがまだ、アルカリの方が揮発する分だけ残留度は、まだ少ないです。酸性のお薬が残留しますと、例えばその場所に白髪染めやカラーをした時に残留薬剤がアルカリに変化し、爆弾みたいな成分に変化します。大丈夫でしょうか?皆様の髪は。

風合い

酸性領域で収斂、高熱すぎるアイロンでプレス、残留するお薬、、、分かりやすく言うと、あなたの髪はあなたのもともと持っている髪の柔軟性、弾力、強度とは、ほど遠い、硬毛過ぎる硬毛になっておられないですか?水で濡らした時、どうですか?水に濡れると髪は通常、柔らかくなりますが、、、硬く無いですか?水を吸ってますか?そのような風合いにない髪の方は3ヶ月もしたら髪は少しずつ切れてきます。ポキっと。。。

ダメージが少ない髪には?

ダメージが大きければ大きいほど効果を実感させる酸性ストレート、ではさほど髪がダメージしておられないのに酸性ストレートをするとどうでしょう?人によっては全く効果を感じられません。そればかりか、髪が硬くなるだけで留まり、風合いだけが悪くなったというお声もたくさん聞かれます。さらに、痛めないという理解のもと、何回やっても良いのではと乱発する美容師さんも多いので、そういう施術になった場合、癖は高熱により強制的に伸びていて、髪がたんぱく変性をおこして、みなしストレートにはなっているのですが、健康的な髪の弾力やしなやかさとは全く逆の風合いに仕上がっておられる方も多く見られます

酸性ストレートで傷んだ髪とは?

酸性ストレートで痛んだパターンとしましては髪の内部が収斂と高熱ダメージによってペタンコになっております。そのような髪に効果的にトリートメントで治す為には髪表面つまりキューティクルを膨らます事に最低でも20〜30分を要します。トリートメント前の処理に20〜30分です。その際、湿熱加温が前処理として必要になります。どう考えても塗布だけに終始し、トリートメント全体を通して15分以内で終わるトリートメント施術では改善しているはずがございません。トリートメントを入れ込む前作業にかなり時間を要します。

酸性ストレートで傷んだ髪への対処法と施術工程

酸性ストレートでダメージしているということは先ほど申し上げたとおり、髪がペタンコ状態、キューティクルがくっついて本来のキューティクルの仕事をできなくさせております。

キューティクルを優しく膨らませる

まずはキューティクルをゆっくり開けることから始まります。特殊商材で、痛める事なくキューティクルを穏やかに開けます。少し時間はかかりますが1番大切な作業です。

キューティクルを開いたら髪内部に栄養を。

キューティクルが膨らみ、少し隙間が空いたら分子の細かい水分、油分、タンパク質、それからその中でも中分子コラーゲンを入るだけ入れていきます

髪内部に送り込んだ栄養を結合させる

髪内部に送り込んだ栄養を今度は髪内部で固定させるため、疎水結合という科学反応をさせます。これも特殊な機械を使います。疎水結合は髪に入れ込んだ栄養を流出させないようにさせます

髪と栄養を結合させたら今度は蓋をします

疎水結合をさせるとそれだけでも髪から栄養は抜けにくくなるのですが、可能な限り持続させる為に今度は髪表面のキューティクルを優しく閉じて栄養を閉じ込めます。せっかく高熱でペシャンコになったキューティクルを膨らませたのにまた、高熱で焼いていては意味がありません。熱変性に強いトリートメント剤で、キューティクルを作り直し、低温アイロン(100℃くらいのことを言う)で優しくキューティクルを整えていきます

ここまでで酸性ストレートで傷んだ髪への対処はひとまず終了です。
ですがこれを複数回行い、髪の毛のあるべき姿に早く近づける事が大切です。

酸熱トリートメントは効果的なのか?

酸性ストレートに非常によく似た名前の酸熱トリートメントというものがあります。ハイダメージで広がったら、パサついたり、ボロボロになった髪に対して行うトリートメントです。効能は酸性ストレートと同じで酸で引き締め、高熱で整えるという事です。酸性ストレートと違うのは癖毛はストレートにはしません。癖毛であまりお悩みで無い方がダメージで広がったり、した時に美容師さんに薦められるトリートメントです。メリットは一回だけなら広がりはおさまります。しかしデメリットは酸性ストレートのデメリットと同じで髪をペタンコにしてしまう事です。
髪が痛み、酸性ストレートで対応し綺麗になった気がしても日にちが経てば傷んでくる、、そこで酸熱トリートメントを勧められる、、髪はほぼ呼吸できないでしょう。同じようにまた硬く、トリートメントなどは入らず、カラーの持ちも悪くなる髪ができあがります。
デメリットばかり書きましたが、一言で悪いと言っているわけではなく、、、向いている人、タイミング、などありますので書いておきます

酸性ストレートで痛んだ髪へトリートメントメニューの御提案

酸性ストレートで痛んだ髪へのトリートメントで、対応できる当店オリジナルのメニューはLuglip 1stをオススメ致します

酸性ストレートで痛んでしまった方のオススメメニューはこちら

酸性ストレートが向いている髪質

髪がアルカリに弱く、ホワホワと浮くような髪になっている方。細毛で広がり、まとまらない方には一度だけ酸性ストレートはしても良いのでは無いかと思います。ただし、綺麗な髪になりたければ条件つきです。それは、、、必ず酸性ストレートの仕上がりが良くてもトリートメントを後日、ちゃんと髪の内部まだ栄養を入れられるトリートメント施術を受けてくださる事、ホームケアは分子の小さい商品を使う事、です。そうすれば酸性ストレートが生んだデメリットの心配もしなくて良いでしょう。

酸性ストレートが向かない髪質

酸性ストレートが向かない髪質の方は割と多くいらっしゃいます

髪が硬い人

さらに硬くなります。ですので髪のキューティクルを膨らませ、酸性ストレートにて硬くなりペタンコ状態になっている髪内部に髪が柔らかくなる脂質を入れ込み酸性ストレートを行う前の柔らかさに持っていきます。酸性ストレートで作ったストレート感はそのまま残します。

そこまで髪が痛んで無い髪の方

これから綺麗になるはずの伸びしろしか無い髪を、綺麗に進化させることを終わらせます

酸性ストレート、酸熱トリートメントを受けられた髪の人

酸性ストレートと酸熱トリートメントを、施術した箇所が残ってある髪は、やらない方が良いです。良い事が一つも思い浮かびません。髪をベタンコにし、締まっている髪のキューティクルをさらに締めることになり、栄養入らない、カラー入らない、ストレートも綺麗にならない髪がそんなふうになっていきます

まとめ

ここまで酸性ストレートの事をメリット、デメリットと書かせて頂きました。やや、デメリットばかりを書いてしまいましたが、髪本来の綺麗さを考えますと、髪のその構造上どうしても酸性ストレートの注意点を意識せざるを得ない事が多いです。全てが悪いというわけでは無いのですが髪がまた本来の風合いを保つ意味では、施術後半年以後までのことを考えて我々美容師はお客様の将来のことを考えるべきなのかなと思います。また、本来酸性ストレートというのは、ハイダメージの方を対象とし、そのような髪にはどのお薬もデメリットしか無いとの事で各メーカーさんが考えに考えられた奥の手のお薬だと考えると救世主的でもあり、我々美容師が安心してお客様のお悩みに対応出来るはずのものだと思います。が、、そこまでに至るまで、お客様の髪を綺麗に保つ、あるいは修復する、ことはできるはず。。。髪本来の美しさを保ち、奥の手でしか対応出来ないようなこれまでの施術履歴に導いてしまった我々美容師の知識不足は問題無いのでしょうか?トリートメントとはお客様とサロンが2人3脚で綺麗な髪を作る為に日々のお手入れの仕方を通し、健康面なども含めて歩んで行けるような生活の事を言うのでは無いかと信じてこれからもお客様の健康と美を提案し続けて行きたいと思っております。長文になりましたが読んでくださり、ありがとうございます

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投稿者プロフィール

山森 洋佑
山森 洋佑「髪の病院」五つ星技術認定者 髪の病院認定講師
有名ハイブランドのファッションショーのバックステージにてヘアスタイリストを務める。「髪の病院」による技術認定五つ星の実績を誇り、Luglipでの施術の傍ら、美容師を対象としたセミナーを多数実施中。